カテゴリ
ライフログ
お気に入りブログ
RD BLOG コンサート日記 矢野薫の♪おたまじゃくし... Blog | Hiroa... イタリア生活雑記 The Gents Fu... 第2CLACLA日記 チェンバロ弾きのひとりごと YOU ARE NOT ... 第13回宮崎国際音楽祭公... めじろぐ2008 都市楽師プロジェクト 音... その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
響きの万華鏡~ヘクサコード・ファンタジア 「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」といったら、たいてい誰でも何を意味しているのか予想ができるでしょう。しかし、『このヘクサコードがさぁ・・』、などと話題を振られたら、どうでしょう? しかし、今の21世紀においては、このふたつはほとんど同じ事を指しているといっても差し支えないでしょう。中世・ルネサンスの音楽におけるは重要な要素のひとつであった、ヘクサコードとは6つの音が音階の中で、全音・全音・半音・全音・全音という、真ん中に半音を挟む形で並んでいる音階の事を指します。それがつまり、現在われわれが知っているド、レ、ミ、ファ、ソ、ラに当てはまるわけです(Ut, re, mi, fa, sol, laと呼ばれました)。 自然な音階の中ではこのヘクサコードを3種類作ることができます。そしてそれらの組み合わせによってその音名をあらわしました。それがいわゆる、ソルミゼーションと呼ばれる階唱法です。しかし、当時の人々にとっては、音階、もしくは旋律の中のある一音が、「ド」なのか、あるいは「ソ」と階唱するのかということは大きな問題のひとつでした。そして、そこにはわれわれが知っている最後の「ド」を導くための「シ」が存在しませんでした。半音はすべて「ミ」と「ファ」として考えられました。シャープ記号の音を「ミ」と読み、フラット記号を「ファ」と読むということ、こうしたことが、どのヘクサコードがどの列に属しているのかを判別するためのひとつの鍵となりました。 さて、このヘクサコードはこうした理論と実践だけにとどまらずに、ひとつの旋律のかたまり、つまりひとつの主題として、16・7世紀の作曲家たちの霊感を呼び起こすものともなっていきました。今回は、そうして残されたものの中から特に傑作と呼べるものを4曲選んでみました。それらはいわば、バッハの『フーガの技法』のような側面を持っていることを指摘できるでしょう。つまりそれは、同じ主題によって展開され、無限の可能性を吟味している・・・それが異なる作曲家によるものなのです。 全体が、こうした複雑な対位法の曲ばかりになってしまわぬよう注意を払いながらも、ソルミゼーションを基にした曲、同時代の変奏曲や舞曲などを織り込み、めくるめくヘクサコードの世界にどっぷりとつかっていただければ幸いです。 (渡邊孝) Hexachord Fantasia... フローベルガー Johann Jacob Froberger (1616- 1667) ファンタジア「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラによる」 Fantasia sopra Ut re mi fa sol la. libro secondo 1649 バード William Byrd(c. 1540- 1623) コラント(クーラント) Coranto (MB. 45) Anon. Alemande Brun Smeedelyn Susanne van Soldt manuscript [1599], London, British Musicum, Add. 29485 バード William Byrd ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ Ut re mi fa sol la (MB. 64) フレスコバルディ Girolamo Frescobaldi (1583- 1643) カプリッチョ2番「ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ドによる」 Capriccio II sopra “La sol fa mi re ut” Il primo libro di Capricci fatti sopra diversi soggetti e arie, 1624 ジョン・ブル John Bull (1562-3 – 1628) 私自身、ブルのおやすみなさい、王の狩 My Self (MB. 138) Bull’s Goodnight (MB. 143) The King’s Hunt (MB. 125) - Pausa - 16世紀作曲家不詳 Anon. (16 century) ラ・ミ・レ Upon la mi re フローベルガー J. J. Froberger ファンタジア4番「ソラレ、ラシ・ファレ・、ミ」 Fantasia IV Sopra Sollare: lasia fare mi libro secondo 1649 トムキンス Thomas Tomkins (1572- 1656) 心の乱れた時の悲しみのパヴァーヌ A Sad Pavan for these distracted times (February 14, 1649) 16-17世紀作曲家不詳 Anon.(16- 7 Century) スパニョレッタ Spagnoletta スウェーリンク Jan Pieterszoon Sweelinck (1562- 1621) 変奏曲「私はライン河を渡って」 Variations “Ick voer al over Rhijn” ヘクサコード・ファンタジア Hexachord Fantasia Clavicembalo: Takashi Watanabe 5/31(土) 19時 目白聖公会 S5000円 A4000円 自由3000(完売) チケットのお申込みは、03-3901-1573 又はオーダーフォームから。
by alquimista-mr
| 2008-05-27 01:46
| 目白バ・ロック音楽祭
|
ファン申請 |
||